第一章 その3 ~こころ模様の揺らぎ



くっ…ゲ!なんじゃこりゃ~~~~すっぱーい~~

私のもっているレメディは、英国の友人から
送ってもらったものなので、ブランディが保存料になっている。
そのため、日本向けに作られている保存料がビネガーという
レメディと初めてお目にかかり、初めて使おうとしている。

うほっ、ゲホゲホゲホ。あ~ビックリしたぁ。
あわててボトルの蓋を閉める
ちょっとぉ~ちょっとぉ~すっぱいよぉ~

これで作るの?
何気に隣で作っている人の表情を見る。
全然、冷静。平気な顔をしている。
そっか…慣れているんだ…
ま、これで、ってことなので、これで作るし…

とりあえず諦めて、空のトリートメントボトルに
ミネラルウォーターを入れて…おっと入り過ぎ?
ま、あふれたら、拭くといいから、これでいっちゃえ!

再び、チャレンジ!
息を止めて選んだレメディの蓋を開け、ミネラルウォーターの入った
トリートメントボトルに手早くメディを入れる。
蓋をきっちりしてめる。かるくボトルを振動させる。

ふ~苦しかった。
毎回、こんな風に息を止めるなら、それ自体がストレス…
でも希釈されたから、ちょっとはマシになっているかな…

再度ボトルを開け、匂いをかぐ…
うっ、やはり何気にスッパイ…

これを飲むわけ?
酢のものは好きだし、かんきつ類もすっぱ~いっていうレモンの
フレッシュジュースも大好き。

でも、この微妙なすっぱさはどうよ?
マイッタナァ…


それより疲れた…笑い声が聞こえてくる…
ごあいさつだけしてトットと帰ろう

すっぱくて胡散臭いレメディの希釈液をバックに入れて家路へ…
途中まで受講していらっしゃった方と話しながら駅へと向かった。

そして、お別れした後、タクシーに乗り込む。まだ酢の匂いが…
ドライバーさんに住所を伝えた後、「あの…すっぱい匂いしませんか?」
タクシードライバーさんは「いいえ、匂いませんけど…あの、この車?
え?乗り込んだ時に感じました?」とちょっと慌てていた。

「ごめんなさい、私が、です。お酢を触ってきたので…」
「あ、そうですか、大丈夫ですよ。私にはしません」と笑顔になった。

ヤレヤレ、私は心の準備のないまま「酢」の香りに包まれ
すっかり鼻に酢の匂いがついてしまったようだ…

あたりはまだ明かい。
窓から景色を眺めながら、今日、一日のことを思い出す…

ダメだ…酢の匂いしか思い出せない…
Fちゃんと酢が結びついている…

そして、自宅についた。
手も洗わず、ソファーに腰掛け、脚を投げ出した。

はぁ~ちかれたぁ~

私は、数分間フリーズ。

よっしゃ、忘れないうちにレメディを飲んじゃおう。
え~っと、このまま…あ~イヤだ、ダメよ、ここままは!
微妙に薄めた酢の匂いがこれまたNG!

え~っと…どうしよう…あ!そうだ!紅茶に入れよう!
レモンティーと思うと飲めでしょう♪


「せめて美味しい紅茶にしよう♪ はなから酢だと思うと
このままいけるんだけど、出会い方がちょっと失敗だったわ」と
独り言をブツブツ言いながら、久しぶりに丁寧にお茶を入れ、
カップも温め、美しい琥珀色のお茶を入れ、一口…ふ~美味しい。

そして、テーブルに置いた例のトリートメントボトルを
じーっと見つめ、「これを入れる…レモンと同じ酸味…」と自分を
言い聞かせる。そして、琥珀色のお茶にタチ、タチ、タチ、タチ、と
4滴入れる…水面にすーっと輪ができる。

いれちゃったよ…ど~しようぉ
自分で決心して、自分で入れておきながら、往生際が極めて悪い。

ったくカルナったら!もう!まずは飲む!
ゆっくりと口に含んだ。

あら?!平気だわ!

更に薄まったので、別に気になるほどではなかった。
これで何かわかるのかしらね…とりあえず、寝る時、
飲み忘れないようにベットサイドに置いてこよう…

ベットを見るとなんとなく眠くなった。
ちょっと寝ようかな…いや、まずはお茶を飲んで
明日の準備をしようっと。このまま爆睡ってこともあるし。

そして、リビングルームに戻り、ぼんやりとしながら
2杯目のお茶を飲んでいた。


to be continued…